地元民が行列を作る「대성밀냉면」のミルミョン
韓国でも「美味しい街」と評されることが多い釜山。
山もあれば海もある、恵まれた土地もその理由のひとつですが
その「美味しい」の裏側にはこんな韓国の歴史も。
それは、北朝鮮と韓国をふたつに分けた朝鮮戦争。
激しい戦火から逃れるべく、多くの人が避難したのが、釜山でした。
朝鮮半島中の人が集まるのと同時に、
朝鮮半島中の「美味しいもの」もまた釜山に沢山やってきました。
今でも、釜山の街で「ソウル」や「全州」など地名を掲げた
看板によく出会いますが、それは避難してきた人々が
自分の地元の地名を店名につけたのが残っているんだそう。
釜山名物である「ミルミョン」もまた、そんな歴史の中で生まれました。
北朝鮮からの避難民が救援食品である小麦粉を用いて
冷麺の代わりに作って食べたのが始まりだと言われています。
第二次世界大戦時には、釜山に滞在した日本人達が
うどんやそうめんを釜山に持ち込んだ、それもまた、影響しているとか。
南浦洞の「ハルメカヤミルミョン」、釜山駅の近くの「チョリャンミルミョン」
観光客に人気の有名店は沢山ありますが
地元民に愛されているのが、今回紹介する「대성밀냉면」です
その店があるのは、観光客と地元客でいつも賑わっている「富平市場」のすぐ近く
市場の喧騒を抜け、大通りを一本渡った、向こう側。
道を渡ると、街は急に静かに。また違う風景が広がります。
「本当にここに、そんな人気店があるのかな?」と不安になりますが大丈夫。
工具店や生活雑貨を扱う店の並びに、その店はちゃんとあります(笑)
二軒違う店が並んでいるように見えますがこの二軒は両方とも「대성밀냉면」。
あまりの人気に慌てて隣の店を買って増設した、
そんな雰囲気が伝わって来る店構え。
ちなみに、以前から人気だったこの店ですが、
有名モクパン(食のYoutuber)が訪れたことでその名は全国区に。
最近では若者からの熱い支持も集めているそうです。
食事時は地元民が行列を作ることもある店ですが
ちょっと時間を外せば、すんなり入店できます。
この店のメニューは
「ミルミョン」「ビビンミルミョン」「ヨルムビビンミョン」
「冷麺」「ビビン冷麺」の5つだけ。
看板メニューはもちろん、このミルミョン!!
店主は麺を、奥さんはスープを、夫婦二人三脚で30年以上の時間をかけ、
研究に研究を重ねて作り上げた、こだわりの味なんだとか。
これが本当に、驚くほど、美味しい!!
麺はツルツルの喉越し良く、スープもしっかりと絡む。
そのスープがまた絶妙!!
お箸が止まらないこと、間違いなしです。
また、有名店とは違う、このボリュームもまた人気の秘密。
それぞれのメニューには「大」と「小」があるのですが
この「小」で十分すぎるほどにお腹がいっぱいになります。
ちなみに、一心不乱に麺をすすっていると
隣のアジョシ達から「イルボン?(日本人?)」と質問が。
「ネー(そうです)」と答えると
「遂にこの店も観光客が来るようになったか!嬉しいね!」とワッハッハ。
どれだけ、地元の人に愛されているのか伝わってきた瞬間でした。
「대성밀냉면」
住所:부산 부평동3가 59-21
電話: 051-244-9658
営業時間: 10:30 ~ 20:00
ミルミョン「小」5500ウォン、「大」6500ウォン
YouTubeチャンネル「お一人様、はじめました。」
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